Alter ipse amicus.

この世界には決して存在しない、どこかの誰かに届くように

『正法眼蔵随聞記』を読み返す

茶の本』を読み終えた。あの時代に英語でこれだけ日本文化を紹介した功績というものは素晴らしいものであり、決して表層的な紹介にとどまるのではなくその奥底の精神にまで迫る記述には学ぶところ多かったが、とはいえ茶道を極めた人がその真髄を記した本というわけではないので、その辺りに少し物足りなさを感じるところもあった。

 

 

手元にあるうちで、その物足りなさを満たせそうな本、ということで考えた結果、『正法眼蔵随聞記』をパラパラと読み返す。

正法眼蔵随聞記 (ちくま学芸文庫)

正法眼蔵随聞記 (ちくま学芸文庫)

 

しかしまあ、こちらもあくまでも「仏道への入門者への心構えを説いた」本であり、仏道や禅そのものについて語っているわけではないため、物足りなさを拭うことはできなかった。

もちろん心構えを説くとは言っても、やはりところどころには仏道の教えというものがにじみ出ているし、加えて"たとえ飢えようとも仏道に専念すべきである"という覚悟の深さには圧倒されるものがあるけれども。

 

とはいえ、やはり『正法眼蔵』そのものを読むべきだよなぁ。