Alter ipse amicus.

この世界には決して存在しない、どこかの誰かに届くように

橋下市長のすがすがしさについての記事

大阪都構想についてはしっかりと自分の中で分析できておらず、この場でその賛否を述べることはできないが、上の記事で触れられている橋下市長の記者会見(と、それを「すがすがしい」とする受け止められ方)に対する違和感については強く同意する。

 

彼は、大阪市廃止分割構想を「大阪再生のラストチャンス」だと煽り、それが実現しなければ大阪はダメになるとさえ主張していた。もし橋下氏が本当 にそう信じていたのなら、住民投票で構想が否決された今、その結果を厳粛に受け入れつつも、大阪市の将来を本気で心配するのが自然なのではないだろうか。 

 にもかかわらず、橋下氏は「本当に悔いがない」などとにこやかに述べた。構想に未練などなさそうである。このことから導き出される推論は、橋下氏がそもそも自分の構想を信じていなかった(嘘を言っていた)か、大阪の将来などどうでもよいか、のいずれかであろう。

 いずれにせよ、橋下会見が醸し出す「すがすがしさ」とは、彼があくまでも個人的な人生史を振り返って「本当によくやったな、オレ」などと自己満足するすがすがしさなのであり、「公に奉仕する」者の言葉では断じてないのである。